Buchaiku

PERFECT DAYSのBuchaikuのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
気に入った!日本を撮っている映画で初めてこんなに好きになったと思う。

もちろんトイレプロジェクトの宣伝他ならないし、ちょっとバイアスかかってて、今の日本の現代社会/文化を代表するわけではないと思うけど、あれはあの人固有の人生なんだから、現実離れしてるとかそういう物差しを使うべきではないと思う。

いいな、羨ましい、こんな生活ができたらいい、なんて言っている人がいるけど、じゃあ今すぐ仕事辞めて、ごみ収集や清掃の仕事をすればいい。そして定時で上がって同じように暮らせばいい。最低限のお給料で住める家に住めばいい。羨ましい、なんて言いながらそんな選択しない。結局のところ、今持っている人生を自分自身がどう生きるか。人生に左右される人と、これをコントロールできる人とでは生涯に得るものの差があまりにも大きいはず。要は、こうしたい、ああしたいと思ってもその方向へ行動することができないのは、人生に左右されている証拠。

平山はインテリだから、それなりに自分の欲しいものと限界がわかっているはず。その中で、自分を見失わずに自己実現する方法を探り、ああなったんだろうな。

彼の生き様と、自分の生き様、知人の生き様等を比べるのはナンセンス。それをしてしまったらこの映画の意味がなくなる。せっかくトイレの宣伝映画がこんなに深く素晴らしい作品になってくれたのに、比べるなんて言語道断。

朝イチに、朝日を浴びてちょっと運動して掃除した後とかに見たい映画。

マドリッドの中心地にある映画館で観たけど、スクリーンは小さいしスクリーンの下にスピーカーがあるのが見えちゃうっていう、日本の映画館が恋しい。大スクリーンで綺麗な音で観たかった。立川の極音とか懐かしいわ。

ちなみに、妹さんが手土産持って来た時に、「好きだったでしょこれ」ってセリフがあったんだけど、字幕にchocolateって書いてあって、え?チョコなんて言った?と思ったけど、「でしょこれ」の「しょこ」が、チョコになっちゃったんだろうな。翻訳家も修行が足りませんねえ。こんなにセリフが少ない映画なのにこんな間違い犯すなんて。スペイン人だけみんなあの手土産はチョコだと思ってます。まあチョコに見えたけど。

とにかく良き映画。また、映画館で観たい。今度は設備のいいところで。
Buchaiku

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