knaru

PERFECT DAYSのknaruのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
ある人生を選んだ男の日々の物語。

製作側に立ってるカルチャーおっさんたちの自意識とかカッコつけが見えて、何だか鼻白らむなと敬遠してたのですが、観たらすごく良かったです。「この映画最高だな!」と思いつつ、光と影が織り成す淡々とした日々の暮らしに感情移入。

いやもう、とにかく役所広司の弛んだ身体とか笑みが漏れる老けた顔とかが本企画のカッコ付けた立て付けを潰しに来てて、役者って本当にすごいと思った。

渋谷のトイレ周りにいそうな感じが悪かったり、奇矯だったりするキャラ感ある人々、隅田川付近の都心と周辺のマージナルな感じ。東京の暮らしを描写する映画作品として色々刺さるシーンが意図のある「絵」として作られていて、本当に良い。

コロナの外出自粛期に都心から隅田川沿いを毎夜歩いて帰っていたので、川面に映る光と影の揺れる孤独な空気が映画になってることに心揺さぶられた。夜の隅田川は物語性がある。

今日と今度、都心と下町が決して混ざらずに、ジワジワと混ざっていく東京映画。
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