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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のmrhsのレビュー・感想・評価

4.5
ベロッキオならこのくらいやるだろうという出来だし、要素を取り出せば、かつての作品とあまり変わっていない。ベロッキオ作品としては中の中の出来。

しかしコスチュームプレイとして完璧だし、やはり恐ろしくレベルは高い。デジタル撮影でほとんど違和感のない(CGはやや残念か)画面を作っているのはこの人とペドロ・コスタくらいではないか(どっちも画面が暗いね)。ラテン語とヘブライ語(だよね?)の祈祷のクロスカッティングなど鳥肌が立つ。あるいは父母とエドゥアルドとの再会(?)の場面。この現実か、幻想かという撮り方がベロッキオなのだ。

微かに揺れるステディカムを使った撮影や随所に見られる細かいカット割りなど古典的でありつつ現代性をアピールできているヨーロッパの巨匠はこの人だけかもしれない。スコリモフスキ?あの人は現代性に突き抜けているので……
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