アニマル泉

アッシャー家の末裔のアニマル泉のレビュー・感想・評価

アッシャー家の末裔(1928年製作の映画)
4.8
監督ジャン・エプスタン、脚本ルイス・ブニュエルとジャン・エプスタン、原作エドガー・アラン・ポーのホラー映画の古典。サイレント白黒スタンダード。
「風」が官能的だ。廊下にたなびくカーテン、だんだん風が強くなり後半では大きく翻る、棺桶からひきづるドレスが舞う、廊下を舞い散る落ち葉ごしにローアングルのトラックインショットなどだ。
館周辺の「沼」と「立ち枯れ木」や「霧」も幽玄な雰囲気を醸し出す。
「蝋燭」ラストは風で蝋燭から火事になる。
「階段」棺がスローモーションで移動する。本作は棺が移動する映画でもある。
崩れる本のスローモーション。
リズミカルなモンタージュも印象的だ。ギターと幽玄な景色、あるいは棺桶の釘打ちと階段のロデリック(ジャン・ドビュルーク)と友達(シャルル・ラミイ)二人が振り返るスローモーションのリズミカルなカットバック。「振り返る」アップも本作では多用される。
多重露光により人物がブレる、手持ち撮影などあらゆるテクニックを駆使した挑戦的な作品である。
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