カズザク17

ポトフ 美食家と料理人のカズザク17のレビュー・感想・評価

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)
4.0
音楽が無い映画。歩く時の音、暖炉で火が弾ける時の音、料理をする時の包丁の音・炒める音・煮込む音、食事の時の食器とフォークとナイフが触れる音等、色んな音が心地よく耳に入ってくる。息づかい、パイプを吸う時の音まで耳に入ってくるぐらいだから、監督が身の回りの「音」にこだわっている事がうかがえる。
料理をするシーンもいい。休む間もなく忙しく動いているのに、ドタバタ感は全くなく、テンポ良くリズム良く料理が出来上がっていく。料理の時の色んな音と、この人の動きが重なりあって、心地いい流れが出来上がっている。ソース、スープ作りの具材の多さと、手間暇には驚きである。きっと美味しいんだろうなって思いながら、映画を楽しませてもらった。
夫婦?それと料理人?夫婦より料理人の方が、対等の立場で一緒に歩んでいく、本当の意味での「パートナー」のように思える。仕事の時も仕事が終わってからも…普通の夫婦より、長い時間を一緒に過ごしている…深い言葉である。