このレビューはネタバレを含みます
温かいスープのような愛を感じる作品
冒頭の料理シーンがすごく美味しそうでおなかが空く！
ワインとのマリアージュについての言及も多く、フランス人にとってワインが重要なものだと感じられた
美食家のドダンは
“既に持っているものを求め続けるのが幸福”
“結婚とはデザートから始まるディナーのようなもの”
など名言の引用が多く、口説き方もウィットに富んでいると評されるだけあり自分の言葉をあまり伝えようとしない印象だった
彼女のためにコース料理を作るシーンには美食家のアイデアと愛情が詰まったすごく素敵なシーンで、美食家が他人が食事をするさまを見て喜ぶのはかなり深みのある表現だと思った
ただ洋梨が裸体のモチーフだったのはやや下品に感じた…あれが美なのか…？
彼が“結婚とは秋”と称して実りと豊かさを讃えたが
「私は夏が好き
調理場の炎のように燃えさかる夏の太陽が好き」と言った料理人の彼女、の最後まで燃えさかり続けた情熱と生命エネルギーが美しかった
ラストシーンまで会話がおしゃれで美しく、あたたかい気持ちに満たされた
あんなに手間ひまかけたものは作れないが、日々の料理を丁寧に作ろうと少し気が引き締まった
