このレビューはネタバレを含みます
料理とは芸術、科学、そして愛なのだ。
ドダンは妻として以上に、料理人としてのウージェニーを愛した。両方ではなく、料理人の彼女を確かに選んだ。
彼女は一流の料理人だった。料理人として愛されたことに、彼女も感謝していた。
最も見て欲しい自分をちゃんと見てくれるドダンを、ウージェニーも愛していた。
料理によって結ばれた二人の姿を見ると、自分が見ていなかった愛のカタチと、自分が求めてしまっていた、もっと単純な愛のカタチに気づき愕然とさせられる。
多様な愛を説きながらも、傍らでは愛を選別しようとする頓馬な私の視野に、フランス映画はいつも重い一石を投じてカオスを作る。
愛は複雑で、人が生きる意味も難解。この映画はそれをありのまま映してくれた。
