このレビューはネタバレを含みます
一編のポエムのような静かなる作品であるが、料理の色彩、湯気、香りなどが丹念に描かれているため、画面の情報量が多い。
どれだけ料理が高みに達しようとも、ワインに目がないのはお国柄ゆえかしら。
「シズル感全振り映画」と言いたいところだが、わりかし濃い目に熟年カップルの恋路みたいなものが盛り込まれている。
これがどうも感情移入し難い。
「籍を入れなくても、仕事上のパートナーでよくないか?」と思うし、死別してからのパートがやけに長い。
しかし、リリカルなラストシーンに感じ入ったので、これでいいのだ。
余談。
料理系の映画を観るたびにどうしても「美味しんぼ」を連想してしまう。
隠し味に桑の実出てくるからなあ。