Dry Grasses(メタファー)について語る作品。
英題タイトルがラストに主人公のモノローグで回収されるのだが不覚にも泣きそうになった。
理想と現実を隔てる高い壁。
セルフィッシュでヤな奴が主人公。田舎や勉学が出来ない者をバカにし、あんな教師最低!のため、街中の犬を気にかける以外は共感するところが全くない。が、人間は程度の差こそあれ狡猾で利己的な生き物だという現実を突きつけられる。
そして人生は時に退屈でまた残酷であり日々予想もしない出来事が起こる。偶然のようでいて必然のような出来事と誰も気にも留めない枯れ草のような存在の我々が未来の希望のような存在に夢を見てしまう、そんな人間の可笑しみと刹那に思いを馳せる。
途中の唐突な演出(主人公俳優の突然の行動?)は人生における虚と実なんだろうか。謎である。
どんなに理想が高くてもただ不平不満を垂れ流しているだけでは何も変わらない。
1人で世界を変えることが出来る人はほんの僅かだろう。
二酸化炭素吐き出しながら生きている意味や目的は何なのか?思い悩んだとて、それでも続く人生。
主役俳優の人の顔色を窺う嫌な感じの演技が凄い。
東京フィルメックス2023
おまけ
サスペンス見過ぎ?いや性格悪いので毒入りケーキではないかとヒヤヒヤした。