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チネチッタで会いましょうのsonozyのレビュー・感想・評価

チネチッタで会いましょう(2023年製作の映画)
3.0
現在70歳のナンニ・モレッティ監督作。
1956年。ソ連の侵攻から逃れたハンガリーのサーカス団がローマに到着。
彼らを招待したイタリア共産党機関紙の編集長エンニオと恋人ベラ(バルボラ・ボブローヴァ)、地元住民が彼らを迎える。
これは、モレッティ演じる映画監督ジョヴァンニが製作中の映画の題材。

ジョヴァンニが40年連れ添った妻パオラ(マルゲリータ・ブイ)は夫を支えつつ、別の若い映画監督によるギャング映画のプロデューサーも務めているが、現場を混乱させるジョヴァンニの言動にもはや限界。離婚の意志を夫に伝える。
音楽を担当するジョヴァンニの娘エマは歳離れすぎのポーランド大使と恋仲に。

製作中の映画は資金繰りが難航し、撮影を中止せざるを得なくなるが、プロデューサーのピエール(マチュー・アマルリック)のアドバイスで嫌々Netflixと面談。Netflix側は190カ国で配信してるアピールを繰り返し(笑)、視聴者は最初の2分で観るか決める、WTFが足りない...などを指摘され苛立つ。(このシーンは笑えます)

脚本に興味を持った韓国のプロデューサーチームからの資金提供を受けることになり、撮影が再開されるが。。

ジャック・ドゥミ『ローラ』、フェリーニ『甘い生活』や自作からの引用、ジョヴァンニとパオラの若い頃の幻想シーンも入り、製作中のラストシーンは曖昧な感じのまま、ダンスシーンからの出演者全員+モレッティ作品の以前の出演者らも参加する、タイトル『Il sol dell'avvenire(=The Sun of the Future)/A Brighter Tomorrow』を感じさせる?パレードシーンへ。

過去の自省・自虐的内容?、イタリア共産党への思い、引用ネタなどが盛り込まれて、70歳の節目に自身のためにつくった作品という印象でした。
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