YLxx

落下の解剖学のYLxxのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.3
真実はただ一つ!こんな簡単に人へ判定を下して良いものなのか。勝者とは敗者とは頭がおかしくなりそうだ。ローラリニーを思い出させるザンドラヒュラーの演技は圧巻。
全くサスペンススリラーではない。どこにでもいる家族の物語。
法廷シーン後の空気感異常すぎてぶち上がった。飲み屋での二人、息子部屋での二人、そして夫の書斎での二人(一人と一匹)。法廷での息苦しいほどに板挟みな息子、カメラがそれを煽る煽る。見えないものと話せないもの。主人公を言語的に弱い立場に置き感情移入を煽るが弁護士等と同じくこの疑いが晴れ切らない演出がむず痒く哀しくて切ない。
有罪か無罪か二つに一つを他人が規則に従って一つに絞る、こんなにも怖いものだとは思わなかった。善き者を救うための社会構造が人の心を破壊する。去年?みたtarに似た印象を受けた。近年起こっている切り取りによる客観的評価の押し付け。どちらに転がってもおかしくない一方的解釈。息子の御涙頂戴な演説は最高にクソ