脚本が良いのだろうか?
信用出来ない登場人物の演技も絡んで先の読めない展開で2時間半の上映時間も長く感じなかったし最後まで眠くなるところも無かった。
目撃者のいない山荘で起こった転落死亡事件を巡る法廷劇なのだけど、検察も弁護側も決定的な物的証拠を示せないまま進む審理に、観客も傍聴に加わっているような錯覚に陥る演出がされているのも巧い。
実際に終盤で裁判官が法廷外に呼び出されて席を外すという異例の展開にカメラも不安げにキョロキョロとパンしたり他の傍聴人の様子を窺うような細かいカット割りがあったり、明らかに観客を傍聴人に見立てて演出されているのが印象的だった。
あと、主人公夫婦の関係性が一般的な男女の家庭内の役割をひっくり返したような構造になっているのと、作家の創作アイデアをパートナーが膨らませるところでスティーブン・キングを連想したら劇中それとは異なる文脈でキングを引用するあたりも面白かった。