カルロスあきお

落下の解剖学のカルロスあきおのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

映画で鑑賞

人里離れた雪山の山荘で男が転落死する。
男の死因は事故か自殺か殺人か。。
次第に捜査線上に浮かぶ、妻が殺人犯として浮上してきて、、、

様々な賞にノミネートされるのが分かるくらい役者の演技をしっかり見せてくれる重厚な映画。

旦那の転落死により、妻のサンドラの秘密や夫婦の間での真実がどんどん出てくる。
その中でいち傍観者として真実はどうなんだと考えながら見ることができる。
偏った意見の方が理にかなっていたりするだけで、人は先入観でそうなんだと思ってしまう。
先入観で何事も決めつけてしまうことが危険なんだと言われているくらい後半の部分は刺さるものがありました。

とにかく、派手な演出があるわけではなくカメラワークもドキュメンタリーっぽいのでよりリアリティが増してる印象。

個人的には淡々と進んでいくストーリーが、少し苦手で前半は眠気に襲われてしまいました。
中盤から後半の裁判でのシーンは、真相に足を踏み入れていく証言や録音が映画の面白みで「どっちなんだ?どうなるんだ?」とすごくのめり込んでいきました。

主演のザンドラ・ヒュラーの演技がすごく、無実を訴えつつ不適な表情を見せたり、時に笑みが出てくるのが、「この人は旦那を殺したのか?」と思わせるだけの圧倒的な演技力だなぁと思いました。

最終的な展開は、勝手にどんでん返しや派手な裏切りがあるかと勝手に想像していたこともあり、あっさりした終わり方だなぁと思ってしまったが静かに進むストーリーとその中で真実が見え隠れする流れは本当に良く、しっかりと楽しませてくれるすばあ映画でした。