志村蓉子

落下の解剖学の志村蓉子のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.1
最後はどうなるんだろう?と思いながら、上映時間の152分を裁判の傍聴人のようにずっと見守っていました。
真実に近づこうとするにしたがって人間のもつ闇の部分があらわになり、主人公に対する心情もどんどん疑心暗鬼になっていきました。
夫婦が互いを罵りあう場面は壮絶、あんな親の姿をちょいちょい見させられたら子どもはグレそうです。
次第に気持ちがたかぶっていく母親役のザンドラ・ヒュラーさんの演技は圧巻すぎて、あんなに言われたらダンナさん気の毒だなぁ…と同情しちゃいました。
本音で語り合うのはいいけど、それで相手を逃げ場のないほど追いつめちゃイカンよね。見た後は何ともいえない虚しさが残る作品でした、良かったけど。
志村蓉子

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