EDDIE

落下の解剖学のEDDIEのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
あなたの目に映る真実は何?
夫が落下して死亡。
自殺?事故?他殺?疑われるは妻。
裁判では参審員の疑似体験をしながら真実を第三者目線で追う構成が面白い。
低視力の息子や飼い犬など、具体を証明する術が主観か客観か。
真実を炙り出すのは実に困難だ。

アカデミー脚本賞をはじめとした複数ノミネートが取り沙汰されていますが、脚本のジャスティーヌ・トリエ監督はユーモアも忘れてないところが恐ろしいですよ。
ミステリーであり、裁判の真実を追求することの難しさを突きつける社会性や夫婦の関係性の深さの表現、エンタメとしても最高級。

あとは飼い犬の名前がスヌープってところに要注目。まさにスヌープドッグじゃんっていう。劇中で結構重要なカギとして50セントの“P.I.M.P”がかかるし、監督ヒップホップ好きでしょ。笑
いやぁそれにしてもワンちゃん良かったなぁ。助演ワンちゃん賞間違いなしです。

とにかく脚本(話の構成)の巧さとアイデアが抜群だと思わせるんですが、演者も良い。ザンドラ・ヒュラーがアカデミー主演女優賞にノミネートもされていますが、息子役のミロ・マシャド・グラネールがこれまた素晴らしい。アカデミー賞は子役賞も作らない?彼はこの作品をきっかけに脚光浴びるでしょうね。

上映時間の152分は確かに長い。体感時間が短いとも言えません。
だけどずっと話に夢中で、体感は長いんですが苦じゃないが正直な感想ですかね。
頭の中で「こうなんじゃないか」とか仮説立てるのも面白いですし、裁判のシーンになるとそれすらも烏滸がましいことなんじゃないかと思わされたり…とにかく凄いとしか言いようがありません。

〈キャスト〉
サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)
ヴァンサン・レンツィ弁護士(スワン・アルロー)
ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)
検事(.アントワーヌ・レナルツ)
サミュエル(サミュエル・タイス)
マージ・ベルジェ(ジェニー・ベス)
ゾーイ・ソリドール(カミーユ・ラザフォード)
モニカ(ソフィ・フィリエール)

※2024年新作映画25本目
※2024年劇場鑑賞26本目
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