きょう

落下の解剖学のきょうのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

おもてたんと違った…!
自分の思慮と感受性の浅さが悔しくなる映画だった。。

犯人探しのミステリー物かと思いきや、もはや法廷ドキュメンタリーに近い緊迫感と生々しさ。

「真相の追求」ではなく、証言や検証など客観的な事実を積み上げて「何が正しいかを選択する」様を描くストーリー。
真実をわざと見えにくくする要素が多分にあり、故に夫の転落死が他殺か自殺か事故かの真相は不明なまま、というのが特徴的。

家庭の嘘や見えていなかった部分を傍聴席で知ってしまう息子の姿が見ていて心苦しい。
結果として母親は無罪判決となったが、息子の証言の "勘違い" や父との車内の会話を踏まえて心を決めたシーンを見るに「母親がやった」と感づいた上で残った家族を守る立ち回りについたようにも見えたが果たして…。

弁論シーンでは検察のもっともらしい饒舌さに、如何にバイアスをかけられているか実感した。
印象に左右されて正しく事実だけを見れていない自分を突き付けられるようで何だか居心地の悪さを感じてしまう。

カメラワークの意図や犬の視点など解釈できていない事が多そうなので解説・考察を色々読み、次回観る機会により心情に寄り添って見れるよう備えておきたいと思う。
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