ふわふわ

落下の解剖学のふわふわのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

解釈を観客に委ねられる映画。

山の上で暮らしている3人家族。
夫婦、視覚障害者の11歳の息子。
息子が犬と散歩に出かけて帰ってきたら、
夫が外に倒れて死んでいた。
他には妻しかいず、妻が疑われ法廷にかけられる。

法廷劇なのかミステリーなのか。
なにしろ妻と息子しかいないから2人の証言を聞くしかない。
観客である私は傍聴席に座っている気持ちになり、弁護人や検察官、証人の言葉をきいて気持ちが動く。
弁護人がああいうからそうなのかなーと思うと検察官が証人を出してきてやっぱりーと思うと決定的な証拠ではない。
妻の言ってる事もなんか腑に落ちないし。
観ているこちらの気持ちも落ち着かない。

夫婦喧嘩がリアルすぎ。
夫婦で同じ職業なら嫉妬があってもおかしくないし、夫婦間の立ち位置、自分の主張をぶつけ合うリアルな口喧嘩!
夫婦喧嘩は犬も食わないってよく言いますが、本人達は真剣でも側からみた私は夫の言う事もわかるしなーとか思ったり。

息子からみた夫婦の姿、弁護人、検察官から見た夫婦の姿、傍聴人から見た夫婦の姿。
それぞれの見方が露わになり、真実なんていかようにも捉え方で変わるんだな。

フランスの裁判ってあんなに情緒があるんですかね。
弁護人と検察官が昔の法衣?みたいなのを着てるのがそこは格式ばってるんだと面白かった。
あと子供に責任を持たせすぎなのでは?となんとなく不安になった。

外からは見えない家族の姿を裁判で明らかにしていくというなんとも不思議な映画。
ああしたらよかったのにとか言いづらい、
客観的と主観的の違いはこうなんだよと教えられたような気がしました。
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