ベンジャミン

落下の解剖学のベンジャミンのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.3
「何を信じるのか」「誰の言うことが正しいのか」鑑賞中ぐるぐると頭を巡る。弁護側が話せばそれが真実に思え、検察側が主張すればその人が犯人だと思えてくる。誰が良い人で誰が悪い人なんて常にグレーで、コロコロ変わる。本当は真実なんてどうでもよくて、人間は好き勝手都合のいいように解釈したがる動物なんだと気づかされる。

夫婦の会話の応酬に胸を抉られ、この辺りにトラウマがある人は注意が必要かもしれない。派手なことは起こらないのに、スクリーンの中にまるで入り込んでいくように釘付けにさせられた。あー面白かった。