壁炒飯

落下の解剖学の壁炒飯のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

こえー映画
親の中身を見ることほどしんどいものって無いよね
別に作家ではなかったが、妻のヒスっぷりが自分の母親と被る部分があり、「どの家族もこうなんかな」という親近感と恐怖感を覚えた
同時に、理由をつけて書けないと言う旦那の気持ちも分かってしまう
創作関係の仕事をしてるので、書く人はどんな状況でも書く それができるから作家であるし、この感覚は書かない(書けない)人とは思ったより離れている まあこれが争いの元になるのは言うまでもなくないわけで…

気のせいかもしれないが、事細かに思い出を覚えてる息子と対象的に妻の旦那に関する回想シーンがなかった気がする
ラスト、逆転裁判的な展開や最終弁論とか見せ場があるんかな…と思ってたら裁判自体はいきなり終わった
そこにはテーマは無いといわんばかりに…
そこから、打ち上げで昔なじみの弁護士に手を出しかけるわというお前そういうとこだぞを見せつけられ、そこから帰宅し、息子を抱きかかえて階段を上がり、ベッドに寝かせ、自分も別の場所で横になり犬が来る…で終わり
この一連の流れの何が起きてもおかしくないような、いや何を起こしてもおかしくないような緊張感ある長回しにしびれた
主人公がずっと雰囲気に酔ってるというか、自分は認められたんだと思い込んでる感じ(落下の方程式の一部であることには変わらないのに)がめちゃくちゃ怖かった 何ならネタができたぞ!くらいに思ってそう(別に悪いことではない)
作家やれるほど世界観強めの人には、サンドバッグ役が必要なのは確かだと思う そういう意味ではありふれたどこの家庭にもある可能性…ではないのだが、別に作家じゃなくても世界観強めの人ってよくいる そういう人は何も生み出さないから最悪なのであるが、生み出す関係なく振り回される側はたまったもんじゃない…
あの後、サンドバッグ役を失ったあの家族がどうなるか考えたくもないが、振り回されないようもしくはうまく振り回されるようダニエル氏には強く生きてほしい
意外と上手くやっていけるかもしれないが、別に毒親ってのは虐待するからそうとかそういうシンプルな話ではない
壁炒飯

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