夫婦の関係を法廷劇の形で描いた会話劇。
2時間半の長尺で、何を語りたいのかサッパリ分からなかった。
フランスの法廷劇は事件の真相を明らかにするミステリーというよりは心理劇が多い気がして、今作も、何が起きたのか?より、何故起きたのか?という動機を探るタイプの物語。
とはいえ、夫の転落死が他殺と疑われてヒロインが起訴される訳だが、そもそも物証もなければ目撃証言も何も無いのに、検察が起訴して公判が行われるなんてあり得るのか?
いきおい裁判での検察の発言は、推測と当てこすりに終始する。
フランスの司法制度は知らないけど、一応、アドバイザーが入っているらしいのだが・・・リアルなの?
それはそうとして、物語のクライマックスは、録音されていた事件前日の夫婦喧嘩のシーンなんだが・・・夫婦なら多かれ少なかれ経験する諍い程度でしかない。
夫婦間における男女関係のステレオタイプを逆転させた様に見える所が評価されたのだろうか?
ラストシーンは、犬はお前を主人と認めたぞ!という意味なのか?
そのワンちゃんが一番の熱演で、エンドロールでキャスト欄のトップに置かれていたのは笑ったけどね。