TsuyoshiNomoto

落下の解剖学のTsuyoshiNomotoのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.0
推理小説的なサスペンスではなく、法廷ものだった。映像とはそこにあるものをただ映したもの《記録》であるか、《イメージ》であるかという揺さぶりで物語を動かしていくつくり。
視覚を失った(つまり、脳内のイメージしか持ち得ない?)少年が、主観(可変的で信頼できないイメージ的なもの)と客観(可変的ではあるが、必要なプロセス:記録の検証を経て信頼するに足るもの)を持つというブレイクスルーの体験としても読める映画。
そういった意味で全編を通して、信頼を巡るを映画。
そして母親的な役割を担っていた父の喪失を超え、父性に目覚めるという、ある種の《去勢》についての映画でもあると読めた。
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