落下の解剖学のRitOのネタバレレビュー・内容・結末

真実はいつも一つ。でもその真実に辿り着けないとしたら？

夫の不審死の真相を突き止めるために、次々と推論が繰り広げられていく法廷劇が純粋に面白く、人間の複数の側面が暴かれていく展開に引き込まれる。

時折ドキュメンタリーや実際の証拠映像のようなシーンが挟まることで、事件の実在感が増しているように思う。
加えて、主演の演技も素晴らしく印象的。

これだけ満足度の高いサスペンスでありながら、「今ある状況で心を決めなければならない」という帰着は、非常に地に足がついている結末で、人間的だと感じた。