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落下の解剖学のnanotach0308のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ある日、自宅から転落死した父親。
疑われる妻。証言台に立ったのは11歳の弱視の息子。

最後までどちらにも傾ききらないシーソーのような作品。

結構重要な判断材料がかなり遅めの公判で分かってくるので、フラグも感じなければオチの予想もしにくかった。

見終わって気づくのは
夫の登場シーンが割合少なく、もっと子供との関係がわかるようなシーンが入っていたら、視聴者が感じる結末は違って見えたかもしれない。というほど、しっぽの出し具合や構成が巧みに計算されていると感じた。

なんと脚本はリアル夫婦だそうで、
生々しい夫婦の喧嘩のやりとりが映画とは思えなかった。

もちろんマリッジストーリーを彷彿とさせる演技も素晴らしい。

二人とも物書きなのだが、事実として妻の方が売れている。僻む夫。

妻:忙しくても自分の時間はつくるものだ。
夫:忙しくて自分の時間が全然ない。


これだけ聞くとお父ちゃんもっと頑張れやと思うのだけど、
息子の眼に障害を負わせた負い目、
出来ない自分へのフラストレーション、
父親なのに弱音を吐く情けなさ。
そんな複雑な感情から
「スヌープはまだ若いけど、君の目の代わりに常に気を配ってるんだから、早死にしてしまうかもしれない。覚悟はしておきなさい。」
みたいな切羽詰まったセリフを吐いてしまったと思うと切ない。



<余談>
・息子の赤いセーターと髪型。雪山。がシャイニングぽかった。「小説はすべて作者の体験が元になっているとしたら、スティーブンキングは連続殺人鬼やないか!」というセリフもあったし。

・冒頭曲のPIMPはてっきり原曲を流しているのかと思ったけど、50centverとして流しているし、ちゃんと劇中の意味も妻へあって驚いた。犬の名前スヌープだし好きなんか。(PIMP はftでSnoopDoggが参加している。)
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