すえ

落下の解剖学のすえのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.0
記録

エリセの『瞳をとじて』を観てからというもの、映画の遠さ、映画そのものに対して複雑な感情を抱いてしまって、中々映画が観れないでいた。
それに加え、個人的な話だが、今月から一人暮らしでの新生活が始まり家で映画が満足に観れない環境だったため、映画から少し遠ざかり安部公房ばかり読んでいた。今回はリハビリも兼ねて『落下の解剖学』を鑑賞。

ケツから言うと、クソつまんね〜、この一言。こんなのがパルム・ドール獲っちゃっていいの?

サスペンスが弱いのにも関わらず、最後まで引っ張るから飽き飽きしてしまう。前半は特にキツい、後半からの法廷劇で多少興味は引かれたものの、特に工夫も感じられず、イマイチ。傍聴席からのカメラワークは、リアリティを演出したかったのかもしれないが上手く機能していない、意図が透けて見えて恥ずかしい。カスみたいなクローズアップで笑ってしまいそうになった。

もうずっと仰天ニュースを観てるみたいで、時間が経つにつれてイライラしてしまった。せめて90分でまとめて欲しい、2時間半は長すぎる。あの内容でタラタラ150分観せられたら誰でも飽きるだろう。

切り返してばっかだし、目を見張るショットも演出もなかった。最後には、もう誰が悪くてもいいよ〜っと呆れ気味になってしまった。

こんな法廷劇ならワイルダーの『情婦』を観た方が200倍は面白い、リハビリにはちょうど良かった。

イッヌの演技の演技は素晴らしい、アカデミー助演イッヌ賞受賞!

2024,53本目(劇場13本目)3/6 TOHOシネマズなんば・別館
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