KingKazukiManji

落下の解剖学のKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
5.0
めちゃくちゃ面白かった。巧みな構成と脚本は素晴らしい以外の何ものでもなく、152分という長さを感じる暇もなく、物語に没入できた。

ただの法廷スリラーとして終わるのでなく、母国語の違う夫婦間での軋轢や、結婚という足枷、ハンディキャップの子供を育てる親の葛藤、ジェンダー問題や、人間としての尊厳、更には親としてではなく1人の人間としての罪悪感など、色々な要素を織り交ぜているのが興味深かった。

特に監督のジュスティーヌ・トリエが私生活において婚約していないことも興味深かった。

これはパルム・ドールや、オスカーの作品賞と監督賞、脚本賞ノミネートも納得だったし、エンタメの中に社会的問題と人間的問題を織り込めるのは流石だった。これはフランスの作家主義的映画業界の良い点だと思った。

主演のザンドラ・ヒュラーのオスカーノミネートは納得だったが、子役のミロ・マシャド・グラネールが怪演すぎて、今後のキャリアが待ち遠しいし、オスカーノミネートしても不思議じゃなかった。調べたら、ちゃんとセザール賞やクリティクス・チョイス・アワード賞などその他賞をノミネートしていて、安心した。

個人的には弁護士役のスワン・アルローのフランスの色気がエロすぎて、グゥ刺さった。
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