ソニア

落下の解剖学のソニアのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

パルムドールを獲り、アカデミー賞にノミネートされ脚本賞はすでに確実と言われている話題作。
雪山の中の一軒家で、男性が転落死。死因は事故か?自殺か?殺人か?

「私殺してないわよ?」「そこは重要じゃない」
予告編にもあったこの会話こそすべて。
犯人が誰かを一緒に推理するサスペンスではなく、1人の人間の死を囲む人間達によって繰り広げられる法廷ドラマ。
演者達の演技に圧倒され、何気なく発されたセリフに背筋が伸びる。
脚本は夫婦2人で家にこもって書き上げたそうだが、本当に何度も書き直したに違いない。

個人的には夫婦の喧嘩シーンの、最初は静かに最後の掴み合いまで徐々にヒートアップしていく妻の演技が最高だった。あとはなんと言っても息子の最終答弁。息子のアフレコでこちらに語りかけてくる父親。爆発的な盛り上がりはないものの、このシーンは固まってひたすらに画面を見つめてしまった。

予告編のテンションもそうだが、サスペンスを期待し過ぎてしまったのが残念なところ。多少は前評判を見た方が良かったかもしれない。

あとはスヌープ(名前聞いて吹き出した)
パルムドッグ賞おめでとう。素晴らしい演技だった。犬にアスピリンは消化管出血を容易に起こすので絶対ダメです。気をつけましょう。
ソニア

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