wanbo

落下の解剖学のwanboのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.0
落下した夫は自殺なのか、他殺なのか、それとも事故なのかを巡って法廷でも争っていくストーリーだが、とにかくテンポが悪い。
2時間半と長いのに、ストーリーが半分以上過ぎても裁判の進展が全くいにが結構辛かった。

最初は自分が裁判員になったかのような感じで、提示されていく証拠をもとに彼女が殺したのか否か推理するような感じで見ていたけど、明かされるのは子供が事故により盲目になってしまったことで夫婦仲に徐々に亀裂が入っていったことや、主人公はバイセクシャルで実はある女性と関係を持って不倫していたなど、人間的な部分ばかり。
そこで気づく、「あ、これ法廷サスペンスものではない」と笑
自殺か他殺かなんかよりも、主人公たち家族の人間模様を描いた映画だったんだと。。
誰が犯人かなどを問うサスペンス映画ではないのだと。。

あと、びっくりなのが劇中登場する盲導犬スヌープの演技!!
途中昏睡状態に陥るシーンがあるが、どう見ても本当に昏睡してるようにしか見えず、最初は人形かと思ったけど後にそれが全部演技だと言うことで驚き!
案の定、このワンちゃんはカンヌでパルムドッグ賞(初めて聞いたw)を獲得し演技を評価されているw

不思議だったのは主人公がドイツ人で、フランス語は聞き取れるけど喋るのは少し苦手ということで、フランス人の夫とは日常は英語で喋るという設定。
もちろん法廷でも彼女だけほぼ英語で喋るという。
この設定が、後から何か言葉の齟齬が生まれて事件をあらぬ方向に導くとかなのかと思ったけどそうでもなく、結局なんのためにそんなめんどくさい設定にしたのかが謎だった。
wanbo

wanbo