suzu07

落下の解剖学のsuzu07のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

解剖学と聞くと、司法解剖系のサスペンスに聞こえるが、これは所謂サスペンスものではない。
夫の転落死をきっかけに、ある家族の内情が暴かれていく。まるで家族という組織を細胞レベルにまで解剖するように。
物語の最後、夫婦喧嘩のシーンは見ごたえがあった。お互い己の観点からしか話すことが出来ない。会話はできるけれども対話は出来ない。熟年夫婦に該当する人間にとっては一度や二度は身に覚えがるのではないか。
子供にとって、親の不仲、そして性を見せつけられる(登場する少年の場合は「聞かされる」だろう)ことは非常に耐えがたいことだ。母親が無罪になったところで、母親の帰宅を心から待ちわびることは出来ない。母の帰宅は親の問題との対峙を余儀なくされるから。
この先この母息子はどうなっていくのだろう。
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