雨空

落下の解剖学の雨空のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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夫、妻、息子の3人家族は雪山に家をかまえ暮らしていた。そんなある日、視覚障がいのある息子は犬と散歩に出かけ、妻は寝室で仕事と仮眠。夫は大音量で音楽をかけつつ家を民宿とするために屋根裏をリフォームしていた。
息子が家に近づくとそこには父の遺体が。当初は落下事故と思われていたが、頭についた損傷部分にかんして誰かに殴打された跡とも説明がつく。そこから長い裁判が始まる。夫の転落は事故か故意か?
といった裁判がメインのシンプルなストーリー。シンプルなのだけれど観終わったあとはどっと疲れた。裁判を通して晒される私生活。誰が何を思い実行し実行しなかったのか、実際は何があったのか。状況証拠しかないなかで検察側と弁護側の応酬が続く。
あやふや、不確かさ、複雑な心境はどうしたって合理的ではなく、だからこそ陪審員や傍聴者たちの気持ちに訴える形になる。
裁判での最後の証言。そして結果。人一人が死に、疑いをかけられ、両親の様々なことを知ることになる子ども。良い映画だった。疲れた……
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