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落下の解剖学のぴのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0

この手の映画では、だれに何をどこまで語らせるかが肝である。系統的には同じ「十二人の怒れる男」のほうが個人的には好き。

物語はサンドラ視点で進行していく。が、サミュエルのUSB内にある夫婦喧嘩の音声のシーンと、ダニエルとサミュエルの車内に二人だけの会話のシーンでは、「映像で」示される。この演出は明らかに事件の詳細を語らせすぎている印象で、ここにはうーんというかんじ。

とはいえ、弁護側と検察側の裁判所での弁論は一見の価値がある。めちゃくちゃに長いのだけれども、会話だけでここまでグイグイ引き込まれるとは思わなかった。

あと、シリアスになりすぎないようにちょくちょくギャグをねじ込んでくるのも結構好き。50centのP.I.M.Pが女性軽視であるという主張に対し、しれっと「いや、インストバージョンだから」とツッコミを入れるシーンで普通に笑ってしまった。
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