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落下の解剖学の42のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

見せられるものだけではなく言葉を考える。観た後頭が痛すぎて久しぶりにバスの中でぶっ倒れそうになった。すごい脚本だ。

真実が分からないときは自分で考えて、記憶と照らし合わせて自分が納得できる「答え」を選ぶしかない。心を決める。これから生きていくために。ダニエルは今後の人生を大きく左右する選択を11歳でしなければいけなかった。混乱して悲しみに暮れる中で考えて自分の「答え」を出さなければいけない。

Jehnny Bethの佇まい
過度な質問をせず求められたことに応えて自分のやるべきことを全うする。あたたかさがあってもっと好きになった。母と子は繋がりが深すぎてどうしても一緒にいると自分だけの考えができなくなってしまう。間に入ってくれてよかった。
あとスヌープも全体を通して、いてくれてよかったなあと思う。映画の中の家族にとっても観ている私にとってもかなり救われていたと思う。

傷つけたくないと思っていても傷つけてしまうのに、あんなふうに酷く罵って傷つけて、それで私も傷ついていたの、なんてそんなのはあんまりだ。法廷で裁かれていたことよりも録音の内容をずっと考えている。傷つけること、人の心を壊していくということ。ずっと脳裏に焼きついている。

サミュエルは何を考えていたんだろう。サミュエルとダニエルのかかわり合いをもっと観たかった。サミュエルの口の動きに合わせてダニエルの声で聞かされた言葉、悲しくて涙が流れた。サミュエルが何を考えていたのか想像すると苦しくなる。事件の真実ではなく、彼の人生を考える。
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