ステイサム

落下の解剖学のステイサムのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

夫婦と11歳の息子の三人家族。
妻はドイツ出身のベストセラー作家で夫は書けないフランス人作家。夫の故郷であるフランスの雪深い山🏔の山荘で暮らす。夫が山荘の3階を民泊用リフォーム中に転落死する。

息子は犬の散歩で留守。家には夫婦しかいなかった。夫転落死は
事故か、自殺か、殺人か…?
第1発見者の息子は視覚障害者。
妻は転落死を知らなかったという。
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検死の結果、夫は転落死前に頭部に裂傷があると判明。しかし凶器などの物証が一切ない。実況見分や転落検証しても謎解明ならず。
容疑者はベストセラー作家(妻)であり、裁判は連日マスコミ過熱報道となる。
裁判では妻と息子の言動がブレ始め、
ここぞとばかりに検事は法廷を大きくどよめかせる。夫婦仲は険悪で口論が多く、妻の不倫もバレてしまう。
夫のUSBメモリから"転落死前日"の夫婦の激しい口論とガラスの割れる音、夫の呻き声が入った録音データを検察が掴み法廷で音声が流れる。
夫は心的要因で書けない作家で妻より家事分担が多く、ますます書けない事に焦燥して医師に治療薬を貰っている。
医師が証人で夫の肩を持つ発言をする。
妻の旗色はますます悪化の一方だ。

生前夫は酒とアスピリン大量摂取により
一時昏睡、嘔吐したという妻の証言。
自殺未遂とするには証拠がない。

11歳の息子には耐え難く、父転落死から泣き塞ぐばかりだったが、ある人物から『何が真実か分からない時は心で真実を見つけるしかない』と言われ、息子の表情が変わる。
なんと愛犬スヌープのエサに大量のアスピリンを混ぜたのだ。
窒息するスヌープに息子は泣き喚き、
大人が咄嗟の対処法でスヌープはアスピリン嘔吐、回復させる。
(愛犬は無事です❢)
この無謀行動は渦中の息子がある事を確認する必要があり実験するしかなかった。

息子は父との過去を振り返り、生前父が嘔吐した吐瀉物をスヌープが食べたことが原因で愛犬スヌープの容態急変となったか確認したかったのだ。
そして家族のために、法廷で証言する。
生前の父は急病の犬を病院に連れて行く際に重要な言葉を息子に話す。
『誰でもいつか死ぬ。覚悟するんだ。
今犬は若く元気でも突然死もある。いいな?覚悟するんだ。』
父は自殺を決意していて、仄めかしたのではないかと息子が立派に証言してみせた。

…物証が無く、真実は闇の中であるが、息子の証言によって心証が変わり辛くも母の容疑を晴らした形となり、裁判は決着した。

母は弁護士と祝宴し帰宅。息子は母の帰宅が怖かったと吐露し、母はソファに横たわると愛犬スヌープが隣に寝てくれた。安息を手繰り寄せる様に愛犬を抱いて、母は眠る。終。

これで終幕…。エンドロールです。
法廷闘争劇としては黒白ハッキリ証明する事が出来ないグレーでしたが、やはり息子は視覚障害者であり、母親が必要なのです。その息子が父を自殺だと思い、エピソードを証言した。
もう結審するしか…(ないですよね)。

2023年カンヌ国際映画祭パルムドールandパルムドック(🐕‍🦺)は、家族のドラマでした❢
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