裁判のシーンでは自分があたかもその場にいるかのような緊迫感があった。
母親のことを信じたい気持ちはあるが、何か怪しい雰囲気が漂っており「本当にやってないのか?」と疑いながら観ていたら、最後までそこは曖昧なまま終わった。
というより、死因がどう、真実がどうとかはあまり重要ではなく、双方の証言を聞くたびに観る側の感情がどんどん揺れ動くような作りになっているところに見応えがある。
結局相手の感情や、行動原理などはどこまで行っても想像の域を出ないということをまざまざと見せられた気分でした。
目の不自由な息子に自然と感情移入するように作られており、他人や家族、時には自分すらも疑い始めてしまうという不安定な感じも周りの大人とのいい対比になっていると思った。
予告映像の「本格ミステリー!」的なイメージで観に行くと肩透かしを喰らうかも。