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落下の解剖学のdogmaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7
・ドキュメンタリーとフィクションの中間のようなフィクション。
・監督が意図的に回想シーンを使用せず、唯一判然とした過去の「記録」は録音のみ。人間の記憶に如何に客観性を与えるのか、法廷シーンはヒリヒリした。
・導入部分はじっくりと間を取って進行していく。舞台が法廷になると、閉ざされた山荘での物語から、開かれた(時に牙を剥く)社会と、孤立する家族の物語になっていく。

・証言が事実か虚構か誇大か過小か、観客には全て分からない。人間を信頼することの脆さ危うさ、儚さが表現されているのがよかった。
・結末の解釈を観客に委ねているパターンだが、「あなたはこの夫婦愛/親子愛を信じますか?これはただのフィクションですか?」と問われている気分になった。
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