このレビューはネタバレを含みます
転落死した男、そしてその妻が殺人容疑で起訴される。裁判の過程で家族の隠された本性が浮かび上がってくる。
この夫婦間の問題は、男女の役割が正反対となっているだけで世界中の家庭で繰り返されてきたこと。転落死という部分を除けば普遍的な物語でもある。そしてこういった夫婦の諍いのしわ寄せがいくのは、決まって子供なんですよね。
最後の息子の証言、あれは偽証でしょうね。彼からしてみれば視力を失い、父親を失い、今度は母親まで失いかねない状況なのですから選択肢はなし。しかし今後あの親子関係が良くなっていくとは到底思えないのが何とも。
真相については明言されないまま。話を見る限り殺人ならば周到に計画されていたはずのだけど、彼女の言動には行き当たりばったりな部分も見受けられるので、やはり自殺なのか。この灰色具合の決着の付け方が絶妙でしたね。