舞帝

落下の解剖学の舞帝のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

謎解きミステリーでもスペクタクルな法廷ドラマでもなく、一つの事件をきっかけとする社会派ドラマ。
したがって序盤は退屈、開廷してから徐々に話が進み、夫婦の録音された会話の頃にはこちらも思わず前のめり。
フランスの裁判の様子(証人召喚や陪審員?制度など)も新鮮。
言葉の壁もあり、自分の意見や考えを相手に上手く伝えられないもどかしさがヒシヒシと伝わってくる。
動画や模型や音声を用意したとしても、”真実”を第三者が見極めて善悪を判定することの難しさ。

...ただここまで場を整えて語られる本質的なテーマは、正直ピンとくるところも真新しさもなく。
単一の問題に落とし込むのは暴論にもなるので言及しないが、現代の家族観・夫婦観へ一石を投じるという意味では意義深いと思うが...。
やはり何らかのカタルシスを得られると期待して鑑賞するのは良くないのかも。第三者視点で傍観者に徹してこそ見えてくることもあるのだろうか。

※個人的に邦題が微妙。
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