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落下の解剖学のTMのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.3
まさに裁判の野次馬のように、殺したのか?事故なのか?とか、裁判の弁論面白いなあ、とか思いを巡らせながら鑑賞しました。

普通の裁判の野次馬と違う部分としては、映画なので情報量が膨大です。回想シーンがあり、裁判中以外の時間の過ごし方をみることができ、人間が詳細に描かれています。その為、事件への入り込み方が段違いになります。まさに「劇場型」です。映画の中でも劇場型犯罪としてニュースで大きく取り上げられていました。そして映画の中と同じく、外の観客も最後まで事件の真相は知らされません。

劇場型犯罪をすごく近い立場から、豊富な情報量で見たような感じです。長い裁判シーンを飽きずに観られたのも脚本や映像が巧みだったからだと思います。

その中で描かれる人間関係や感情の機微も重要なんでしょうけど、自分はそこはどうでも良く思いました。リアルすぎて抽象化することも共感することもできずに、まあこういう人たちもいるよな、としか思いませんでした。

とりわけ心に残った訳ではありませんが、普通に楽しめました。
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