楓花

落下の解剖学の楓花のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
第76回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作とのことで、見てみた。
法廷劇。
さながら観客は、作中の法廷内で裁判を見ているかのような臨場感を味わえる。
映し方が面白い。

自殺・他殺・事故…真実は一体?

正直見終わっても綺麗に白黒つかない感じでした。
ダニエルくんの証言次第なんですよね…。
動揺もあるだろうけれど、最初の証言の再現性は困難だったし、裁判を通して「あ、思い出したことあります。実は…」みたいな感じで追加されるし。
途中までは完全に盲目なのかと思って見ていたんですよね。
でも途中で弱視であることが判明して、それなら最初の証言の位置情報が明らかに異なるのはおかしい。
また実際とは異なる場所を証言したから、実験での再現ができなかったのではないか?

サンドラの主張も”死人に口なし”って感じだし。
本当にアイデアは譲渡されたものだったの?
サミュエルが主張していたとおり奪い取ったものではなかったのか?
もし仮に突き落としていなかったとしても、精神的に追い詰めまくってませんか?と。

夫婦間でも母国語ではない言語で双方喋っているから、細やかな気持ちや感情が実は伝わりきれていなくて、相互理解を困難にした部分もあるんじゃないか?
そう思うと国際結婚って難しいね。
(ぶっちゃけサンドラがかなり自己中心的人物に見えて仕方なかったけれども。家事・育児にあまり関わらない&性奔放で浮気しまくり)

愛犬スヌープの演技力やばかった。
動物って訓練したらここまで演技できるものなのか…。
楓花

楓花