裁判って本当に面倒くさいな…と思っていたら家族関係の核心に近づいていく行程に息を呑んだ。「真実はどうであれ､我々は妻が夫を殺したと考えてしまう方が面白い」というワイドショーの露悪なシーンに象徴するように､人と人の関係性はカットアップでは到底分からない。この先､世間にはびこるゴシップが話題にあがった時どんな気持で他人と話そうかと反芻した｡
気になったのが、終盤に車で下山するシーンで､車の運転席から映された真っ暗な道を進むだけのシーンが数秒､ほとんど関連を感じられずいきなり差し込まれて、それがとんでもなく不気味だった。
