ブラウンソースハンバーグ師匠

落下の解剖学のブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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考察班に仕事をさせない映画であり、「それってあなたの感想ですよね?」のアンサーソングでもある。

面白いか面白くないかの評価が定まらない。ある点を思い出して面白かったと思うし、またある点を思い出して面白くなかったと思う。この映画はきっと呼吸している←は?

確実に言えることはひとつ。

この映画の観察者として、常に視野の広さを求められ続けながらも、息子の「たすけて!」に寄り添えるぐらいの主観をも求められるこの映画はおれには無理ゲーだ!おれはなぁ……高倉健も「器用でした」と居直るくらい不器用なんだよ!この映画の間で!おまえに構っている暇なんて1ミリもなかったんだよ!会話に含まれる情報量が多すぎるってんだ!おれは大事なことじゃなくても二回言ってもらいてえ性格なのによ!それに雪と字幕被っちゃってたろ!あれ萎える!それによぉ!おまえの両親のこと観ながらよ!おれもおれの両親のこと思い出してよお!おれの両親よお!おれがちっせえ頃にたぶん浮気してたんだぜ!だけども!おれにはそれを真実とする確実な証拠がなかったんだ!おれが何を言おうとそれは推測の域をこえねえ!それに怖かった!ちっせえおれに解剖学させんのは酷ってもんだぜ!おれにほとばしる確信はおれの中でしか生きられねえんだ!おめえと一緒だ!「たすけて!」ってなったよあのとき!おれはあのときを呑み込んで今になっちまった!おれの暮らし向きを見ろよ!これが正しい選択による風景か?どうした?首を縦に振る世辞もねえのかよ!もうおれは時効だ!大丈夫だおまえはまだ!おまえはおれみたいになるんじゃねえぜ!なあ客観性ってなんだ?おれらの主観を認めて初めて生まれる客観だろ!?おれら思うってことを止められねえ!どれだけ先入観を抑えてもそれはフリでしかねえ!いつまでも地球の青さを眺めているわけにはいかねえんだよ!だからおれはいつも以上にこうやって自分語りをしてるのさ!そしておまえは動いたんだろ!?動かずにはいられなかったんだろ?おまえはあの場で主観を主張せずにはいられなかったんだろ!?すごいよおまえ!おまえみたいな奴がいるからおれの頭はいつもピリピリピリピリピリピリ!落ち込むんだ!こんな映画観るからだ!畜生!!