れん

落下の解剖学のれんのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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第77回カンヌ国際映画祭が始まった。
去年パルムドッグ賞を与えられたメッシが堂々とレッドカーペットの上で20分もマスコミ対応をしたとのこと。
次回作はどんな作品なのですか、などと本気で彼に尋ねてみたくなる。
夫サミュエルが意図的に鳴らす大音量の音楽。のらりくらりと交わしつつ、若い女性からの取材を受けているサンドラ。なんなんだこの不穏なオープニングは。『ファニーゲーム』かよ。
この先、音楽は11歳の息子が弾くピアノの曲だけになる。でも音は、声は、時に音楽以上に……
「正しい解釈」だの「ちゃんと理解」することだとか、そんなこと本当に出来るのだろうかとずっと思って観ていた。
不可能だよと、異なる言語の不自由さが、視力障害を持つ少年が、切り取られた夫婦の会話が、透き通った色の目を持つ犬が、何度もそれを伝えて来るのだ。
「スティーヴン・キングは連続殺人鬼ですか?」が唐突に出て来てびっくり。
タビサ夫人が不審死したところで、そんなことはまずあり得ません、はい。
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