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落下の解剖学のGionDesignのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.3
夫の転落死。妻が真犯人か?自殺?それとも事故か?

【映画の建築紹介】
本作の建築テーマ…
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> 真実を知る山荘建築<
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雪山の3階建て大屋根木造山荘に暮らす、親子3人+犬の家族で真昼間に、夫が3階から落下し転落死。第一発見者は盲目の息子。現場検証していくうちに不審死とされ、やがて被告人の妻を巡る法廷劇へ展開。

山荘の様々な角度から小心者は以下に家の構成が視えた。

1階:倉庫、作業場
2階:外階段付の玄関、リビング・ダイニングキッチン
3階:主寝室、子供部屋、書斎、浴室、バルコニー
3階半の屋根裏:民宿へと夫が1人で改装中
※山荘各階がスキップフロアで多層構成

🤔事故死:妻の言い分
夫は3階屋根裏の窓から誤って落下…

🤔他殺:検察側の主張
夫は3階バルコニーで妻に落とされ死亡…

🤔自殺:弁護士の解釈
心療内科通院中の夫は、精神異常を来し、妻による犯罪と見せかけた自殺…

以上、どれも人間の口から豪弁される主観や客観論ばかり。沈黙する山荘建築は本当の真実を知っている…。


【小心者建築士の独り言】
今年アカデミー賞脚本賞🏆を獲得した本作。観客を置き去りする?法廷劇の意外なる結末…。本当の真実とは?前述した論理をかき集めて審理の答えを導くのではない。邦題の通り、様々な視点(僕は建築的視点)から自分自身で一つ一つ解剖し分析していかなければならないという意図が示される。その姿勢が脚本賞受賞たる所以と思う。

以上。今日もご安全に⛑
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