たむ

枯れ葉のたむのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.5
ミニマリズム映画の究極版、アキ・カウリスマキ監督の最高傑作です。
あらゆる無駄を削ぎ落とし、時には必要な要素すら省略し、映像と音と歌のスペクタクルが展開します。
これまでのアキ・カウリスマキ監督作品以上に、ワンフレームの情報量があり、人生における余白の美しさが観られます。
派手なシーンはないですが、人生における事件は多々起こります。
フィンランドの男女を主人公に展開するのは依存症であったり、貧困、仕事と日々の生活が描かれます。
ふと流れる音楽や映画館、映画のポスターの数々は、生きる糧となる、ある種の奇跡を思わせます。
派手な事件や複雑な構成、バイオレンスなど、あらゆる映画の虚飾を取り払って出来上がった傑作は、映画の本質に触れるような鑑賞体験です。
見事な、あまりにも見事な傑作ですね。
たむ

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