Blake1757

枯れ葉のBlake1757のレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.5
よい意味での、オールド・ファッションド・メロドラマ。
端正なキャメラワークとモンタージュは、期待どおりのカウリスマキの映画だったが、ただし期待を大きく越えるものまでではなかったようにも思う。
ラストシーンの「犬の名前」について、直ぐには分からなかったのだけれど、あるレビュー*を読んで、なるほど『モダンタイムス』とのつながりだったのかと納得。それだけでなく、多くの映画へのオマージュに満ちていた。
そして、ノスタルジーにも満ちた映像はまるで「60~70年代の映画」を観ている気分にさせてくれるのだが、時おり差し込まれる「ロシアのウクライナ侵攻」を伝えるラジオニュースが、観客にこのドラマが現代の話であることを思い出させ、ある種の異化効果をもたらしていたように思う。

*「恋慕という想いがアキ・カウリスマキ監督のウクライナへ対する想いへと変換される」(映画.com)
*「名匠への敬意、ウクライナ紛争、母国フィンランド…引退を撤回したアキ・カウリスマキが復帰作『枯れ葉』に込めた思いを探る」(MOVIE WALKER)
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