ラジオから流れる戦争のニュースを止めてしまうことが正しいのかどうかをずっと考えている。でも私たちの生活のなかで、労働と暮らしのなかで、手の届く範囲はどうしたって限られていて、その無力感を知っている。無力を自覚しながら苦しいニュースを耳に入れ続けて鬱屈とした気持ちになって、自分の毎日すら覚束ないようになることも違う気がする。ラジオを止めることと止めないこと、どちらが良いことなのか本当にわからない。分からないよ、世の中のこと全部。それでも他者への愛がそれらすべてを解決できるって、無謀にも信じ続けている。愛、声に出したらとても胡散臭く聞こえるそれをいつもあなたに手渡したいと思う。
彼と同じ時を生きていられてよかった。
アキ・カウリスマキの言葉を電車の中で読んで、ぼろぼろ涙が止まらなかった。
"愛を、もう一度勝たせてやろう"