私も世界も憂鬱へと流れていく、そんな一向に晴れない気分を慰め合うように出会った二人、なのに出会えない…
待って、探してはまた遠ざかる不確かな関係だけど無表情の下に確かな感情が溢れていく、そうして彩られる人生の尊さを控えめに届ける監督らしさ。
もうラストシーンだけでも５億点ですw大好き！
慎ましく生きる事さえ儘ならず、ラジオから聴こえてくる現実はそんな絶望に拍車をかける…
ならば死んだ様に生きるのか、という哀しき問いにカウリスマキ監督は様々な優しい慰めを用意してくれてるし、盟友ジャームッシュの手さえも粋に借りるwもちろんワンちゃんも！
素朴に漂う深い味わいが素敵過ぎた。
無表情なのに豊かで微笑ましい会話劇や目を楽しませる色彩&明暗&構図でふわふわとロマンスを描きながらも、しっかり辛辣な現実も映し出す。
相変わらず洗練されてる印象だったし、トリッキーに挿入されるポップデュオによる音楽に至るまで、その軽妙な語り口とユーモアがひたすら心地良く魅了された。最高！
あと監督の過去作『街のあかり』主演のヤンネ・フーティアイネンがまだ彷徨っててw哀愁が滲んでたし、それでもやっぱり愛を信じててホッとした。可愛かったな〜
