かみしの

枯れ葉のかみしののレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.4
わたしとあなたの向こうには、戦争があって、それは確かに世界を暗くさせ、崩壊させていく。そういう世相の中で、恋愛をするということは一種のうしろめたさを生むかもしれない。プロレタリアートは相変わらず搾取され、酒はやめられず、笑顔はほとんどない。ひたすら消耗していく世界。それはもうどうしようもなく、そうした世界の中に生きている、ということは前提となる。感情は抑制され、画面は淡々と進行する。感情は歌によって代弁される。言いたいことは自分ではいえない。だけど、そういう灰色の世界にも火が灯る。消えてしまうかもしれない微かな火だけれど、火は火として確かにそこにある。
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