遅まきながら…カウリスマキ作品初鑑賞。
突然の監督引退宣言から6年…、溢れ出る映画愛とともに、最高のラブストーリーを連れて、カウリスマキが帰ってきた。
木津さんが絶賛してたので（どんな映画かある程度想像しながら）観てみたのですが…、僕にはそんなに刺さらなかったです。
本作は、監督が晩年に際し、初期の“労働三部作”に立ち戻り、それらに次ぐ4作目として撮ったそう。一貫して描かれる（らしい）“市井の人々”の厳しい日常/悲痛な現実世界。そんな中での小さな愛/生の喜びを、ノスタルジックな風景・多様な音楽・名作映画へのオマージュと共に完璧に計算された美しすぎる画（構図）に昇華させる作風。
カウリスマキの映し出す『持たざる者』の些細な物語は本当に美しくいい映画なんだけど…、あまりに“機微を感じる”もの過ぎて、もう少しプロデュースされたものが欲しくなりました。
