大岸弦

枯れ葉の大岸弦のレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
5.0
枯れ葉
神戸市の元町映画館で鑑賞 2024年1月17日(水)
パンフレット入手

フィンランドの首都ヘルシンキ。古いアパートに一人で暮らすアンサ。街中のスーパーマーケットでゼロ時間契約で働いている。友人は少ない。

スーパーマーケットから持ち帰った賞味期限切れの総菜で夕食を済ませるつましい生活。

ホラッパはブラスト工として金属工場で働いている。人付き合いが苦手であり、生活の中心は仕事、漫画、酒であった。いつしか勤務中にも隠れて飲酒するようになった。

ある金曜日の夜、カラオケバーへ行ったホラッパは、アンサと出会う。一目で運命の出会いと感じたが、シャイなふたりは視線を交わすのが精一杯。

警備員の密告で廃棄食品の持ち帰り、咎められたアンサは事前通告なく解雇された。職業安定所で見つけたのは”パブ・カルフォルニア”の皿洗い。

アンサの初の給料日にオーナーが麻薬の密売で逮捕されたところ、ホラッパがビールを飲みに来たのだ。

リッツという映画館へ「デッド ドント ダイ」(ゾンビの映画)を見に行くことに。

帰り際に、また会いたい言うホラッパに、アンサは電話番号を書いたメモをわたした」。アンサはホラッパの額にキスして立ち去るが、メモを失ってしまう。
さらに勤務中の飲酒がばれてホラッパは解雇となる。
すれ違いの末にようやく映画館の前で再開したふたり。アンサはホラッパを自宅でのディナーに招く。心地よい食卓だが、「アル中はごめんよ」と戒める。弱みをつかれたホラッパは「指図されるのはゴメンだ」と言い出て行ってしまう。
ある日アンサは職場に迷込んだ犬を引き取ることに。アンサの孤独を和らげることに。

酒をやめたホラッパはアンサのもとに電話をかけると「すぐ来て」と、だが、交通事故で意識不明となった。

アンサは寄り添ってやがて眼を覚ます。

退院の日、秋の枯れ葉舞う中を、アンサ、ホラッパ、犬のチャップリンが前へあるいて行く・・・

フィンランド生まれのアキ・カウリスマキ監督作品
音楽をふんだんに使用し、作品のシーンに合わせた選択で 歌詞が流れるという特徴がございます。
パンフレットには使用された音楽がすべてかかれています。
最後の楽曲が「枯れ葉」
フランスのシャンソンの曲を、フィンランド語で歌っているものです。

アンサ、ホラッパ、チャップリン、どうか未来永劫、お幸せに 日本の映画館から、そう伝えたいと感じた。

「ああシャンソン 恋のうた~」
大岸弦

大岸弦