このレビューはネタバレを含みます
♪歌って~おくれよ~、あんたの夢をさ~
って、それカルメン・マキ!
じんわり良い映画!
アキ・カウリスマキ監督の、暗い時代に生きるワープアでも、ささやかな幸せくらい獲得できる世の中であってくれ! という願いを勝手に受け止めました!
にしても、フィンランドってけっこう世知辛い国なん?
本作での派遣社員、日雇いの不安定な経済状態なんか、日本とたいして変わらんよな。
期限切れ食品の授受も厳禁されていたりして、コンビニみたい。
あと「カラオケ」行ってたりもしたな。
カラオケボックスっていうより、スナックみたいだったけど・・・
これがグローバリズムってやつなのかな~
で、ラジオからは常にウクライナ戦争の情報が流れてきており、独身の女性は思わずラジオの周波数を変えてしまうほどに精神的な負担となっている。
独身男は、仕事中なのにヴォルビックみたいに酒を一気のみしていて、それって、がぶがぶ君やん。
つまり、本作の演出そのままに、地に落ちて寒風にもてあそばれる枯れ葉は主人公たちの姿であって、そこにはもはや未来への希望は無い。
でも演出はオフビートなコメディで、ストーリーは二人のすれ違いがメインなんだけど、しばしば不運なところが、ワープアたちの「持ってない」感じが出ててよかったかな。
とにかく、二人がハッピーエンドになって安心した!